目八譜抄略

図譜(Icon)

昭和同定録(黒田)

同定
19. 花紋貝子
 桃子形、肌茶褐色にして褐色細花文大小繁く首尾白色、背縦一条唇によりてあり、腹褐色、両唇茶褐色のもの有り。
 
記載無し カモンダカラ
珍しく一種のみの図が6個体描かれている。
昭和同定録の記載無しは余りにも明確なのであえて記載しなかったもの。
20. 菖蒲貝
 亀背形、肌鈍白色にして褐色濃淡小星文有り、水紫色斑紋あり首鼻より唇辺淡紫色、口の辺雪白色、恰も菖蒲の花に似たり故に名付く。
記載無し アヤメダカラ
図の二個体はカモンダカラの様だ。
21. 鯖貝子
 桃子形。背肌白色にして淡青色大斑文有り。首鼻朱黒色星点二つ並び眼の如し。大きさは七・八分。
サバダカラ(釈名)には3型混合の如くである。 ニセサバダカラ、サバダカラ
図中上に個体は不明。
22. 綬貝子
 亀背形。殻厚く、背淡緑色にして鈍緑斑文有り、口の辺少し平らにして鋸歯鮮。又翁面形にして西洋貝子に似たもの有り。
キイロダカラ未成殻。ハナビラダカラの未成貝も混じる。 キイロダカラ、ハナビラダカラの未成貝。「殻厚く」とあるのが稍疑問。
23. 糸碪
 桃子形にして少し長く、背黒褐淡色或いは鈍褐色にして濃淡は様々、淡青色横條が二筋鮮やかに有り。首尾紅黄色にして朱黒二星点文目の如く有り。唇の辺りより唇腹に紅黄色にして朱黒色細点無数にある。
カバホシダカラ カバホシダカラ
24. 霰貝子
 (6種の説明文がある)
5〜6種の混合。一例:ナシジダカラ、シボリダカラ、カモンダカラ、ハナマルユキ、ホシキヌタ等、要するに白点散在を表現する。 ナシジダカラ、カモンダカラ、シボリダカラ、ハナマルユキ、オミナエシダカラ、ホシキヌタ、不明種が見られる。なぜハツユキダカラが無いのか疑問。