目八譜抄略

図譜(Icon)

昭和同定録(黒田)

同定
1. 石榴介(ザクロガイ)      頭が太く鼻細く両唇内へ巻き込み、殻厚く紅色に淡紅色の斑文がある。貝子の初生であろう。備前平戸の産。他の邦にも稀に産す。 
 
Proteratoを図示するには頗る拙。色調も紅褐、恰もMelampusの如く、その外形と大きさとはキヌカツギシイノミガイを想起させる。 色から判断するとウミウサギ科の様だが、図の螺頭はザクロガイの様。
2. 麦粒介(ムギツブガイ)
 肌は蒼色で濃淡の斑がある。殻は厚く光沢が有り大きさは一、二分(3−6mm)。貝子の初生であろう。備前平戸の産。相房海岸でも稀に採れる。色で名前が異なる。
ザクロガイ ザクロガイ?
3. 白玉(シラタマ)
  石榴介に良く似ている。肌は潔白色、大きさは二分(6mm)以下。宝貝の初生であろう。
ザクロガイ ウミウサギ科か?
4. 貝子
 紋理文彩に拘わらず、大きさが寸以下のものを云う。
相州三浦三嵜より光艶美なる者産す。琉球、薩州屋久島よりも産す。
Erronea群各種を含む、チャイロキヌタ、メダカラガイ、シボリダカラ(未成殻)、コモンダカラ(摩滅貝)、カモンダカラ、ナツメモドキ(?)、オミナエシダカラ、ハナマルユキ(摩滅貝)、ムラサキキヌタ(摩滅貝)等 3cm以下のタカラガイの総称。
 昭和同定録の他にアジロダカラ或いはカバホシダカラも見られる。
昭和同定録のムラサキキヌタは不明。
5. 白貝子
 貝子属にして色を以て分かつ。大きさは種々だが三四分より寸以下の者が多い。大型のものは稀。もともと白色の者、海水で洗い晒したものもある。水紅色(薄紅色?)を帯びた者もある。
シボリダカラの未成貝 日本沿岸には白いタカラガイは棲息しないことから摩耗して白くなった貝を総称したと思われる。
図の貝の同定は出来ない。
6. 餘泉
 白貝子属にして首尾淡褐色点文がある。白貝子は色が無く、褐色点が有るものは餘泉である。
摩耗した3型以上、一例、メダカラガイ、ヤナギシボリダカラ(?)、他は不明。 これも摩耗した貝で、幾らか褐色が残ったものと思われる。図の貝の同定は出来ない。