タカラガイの平均殻長がどのような因子によって影響されているかを探るために、過去にほぼ一年間、月一回、一定場所でメダカラとチャイロキヌタの打上殻を採集し測定を行いその値が徐々に小さくなって来ていることを観察しました。。打ち上げ殻の性質上生息している貝の変化を直ちに表す訳ではなく、いわば移動平均的な値と考えられますが、それにしてはその変化が大きい様にも思われ、年一回の観測を継続することとしました。 |
方法 | ||
採集地(Location) | 三浦半島、荒崎 | |
採集法 | 決めた範囲の打上貝を全量拾う。 | |
測定法・測定項目 |
測定結果
2003年11月より2010年11月までの測定結果を下表に示す。(単位: 個、mm)
採集年月日 |
メダカラ | チャイロキヌタ | ||||||
個数 | 殻長 | 殻幅 | 殻高 | 個数 | 殻長 | 殻幅 | 殻高 | |
03/11/15 | 1142 | 14.8 | 8.9 | 7.1 | 355 | 14.9 | 8.9 | 7.2 |
05/10/20 | 1500 | 15.0 | 9.0 | 7.2 | 574 | 15.0 | 8.9 | 7.3 |
09/11/9 | 537 | 14.9 | 9.0 | 7.2 | 212 | 14.7 | 8.8 | 7.2 |
10/11/11 | 449 | 14.6 | 8.7 | 7.0 | 182 | 14.5 | 8.7 | 7.1 |
2005年に最大個数となりその後極端に減少している。これが生息数の減少によるものか、あるいは周辺海域の潮流の変化によるものかは不明である。ただ、2005年には上図のように殻長も大きくなっておりこの時は環境がメダカラ、チャイロキヌタにとって良好だったとも考えられ、とすると殻長の低下、打ち上げ数の減少は環境の悪化ととらえられる。 |
あとがき |