徳之島の礁湖内でキイロダカラを採集した。此処は干潮時には1m以内の水深になるがすっかり干上がることもない所で、棲息数は非常に多多かった。
方法 | ||
採集日(Coll. Date) | 2002年7月8日ー7月11日 | |
採集地(Location) | 徳之島・金見崎 北緯 27度57分 | |
採集法(Materials) | 礁湖内、水深20cm〜1m | |
測定法・測定項目 |
結果及び考察
測定結果
個体数 (N) |
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Juvenile (%) |
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Mean | ± | SD | Max | Min | Mean | ± | SD | Mean | ± | SD | 内唇(C) | 外唇(L) | ||
127 | 20.7 | ± | 2.28 | 27.0 | 15.8 | 1.28 | ± | 0.052 | 0.62 | ± | 0.027 | 11.9 | 11.9 | 0 |
1.サイズ(L) size |
最大27.0mm、最小15.8mm、平均20.7mm、標準偏差2.28であった。 この値は、前報、石垣島の貝の平均に比べて大きく、この二カ所に関する限りは北方大型説に従っている。 |
2.伸長度(L/W) elongate |
最大1.47、最小1.14、平均1.26、標準偏差0.052であった。この値はモルジブ、石垣島の値と比べ、小さく、南方型、または老成か進んだ形をしている。 |
3.扁平度(H/W) depressed |
最大0.72、最小0.51、平均0.62、標準偏差0.027であった。この値も伸長度と同じく、南方型、または老成が進んだ形を示している。 |
4.歯数 teeth |
内唇歯9ー14、平均11.9、外唇歯10ー15、平均11.9個であった。 |
5.未成貝 junenile% |
今回測定に用いた個体の中には、未成貝は含まれなかった。 |
6.色・形の変異 | Fig.2に色の変わった個体を示す。白色に近いものから濃い黄色の個体まで様々である。 Fig.3に形の違った個体を示す。左からハナビラダカラのようなリングが濃い個体、次の二個体は背に異物を巻き込んだ個体、右側の二個体は左右対称が著しく崩れた個体。 |
Fig.2 |
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Fig.3 | |
7.断面 | Fig.4に、フシダカ型の各種形態を示す。 |
Fig.4 |
あとがき
石垣島の経験を生かして、今回は可成り広い範囲を探ってみました。結果としてサンゴ礁では、ハナビラダカラは最も岸よりに、キイロダカラはそれよりもやや沖めの岩の窪みに、ハナマルユキはリーフの先端に多く棲息することが分かりました。
サンゴ礁が発達していないような海では、どのような棲み分けがなされているのか興味のあるところです。
また、徳之島の個体は石垣島よりもフシダカ型が多く、未成貝も見付からなかったことから、棲息環境がキイロダカラに適しているのか、成長が早いのかどちらかかと考えられます。