タヒチ・ランギロア島でヤナギシボリダカラの打ち上げ殻と生貝を多く採集することが出来たので、計測を行った。
方法 | ||
採集地 | ランギロア島・タヒチ | |
採集法 | 打上貝と生貝 | |
測定法・測定項目 |
結果及び考察
測定結果
採集日
(Coll. Date) |
個体数
(N) |
殻高(L)mm
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伸張度(L/W)
|
扁平度(H/W)
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Mean
|
SD
|
Max
|
Min
|
Mean
|
SD
|
Mean
|
SD
|
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20'10.9.
|
131
|
20.3
|
3.14
|
33.7
|
14.4
|
194
|
0.074
|
0.81
|
0.022
|
殻長 : (size) |
殻長は、最大33.7mm、最小14.40mm、平均203mm、標準偏差3.14であった。この値は前3報に比べ最小の値となった。 左図の分布を見ると前2報の個体群と同じく、正規分布とは見えず、幾つかの個体群からなるように見える。飛び抜けて大きな個体が出現するこの種の特徴が良く出ている。 |
伸長度: (L/W) |
伸長度 最小1.79、 最大2.16、平均1.94、標準偏差0.074で、今までの個体群の中で最も大きな値を示した。 |
扁平度: (H/W) |
最小0.75、最大0.94、平均0.83、標準偏差0.024であった。 この値はダバオの個体群とほぼ同じであった。 |
写真 |
あとがき
ポリネシアの個体群は、isabella contraversa Gray 1824 ツマグロヤナギシボリとされるが基本種のisabella isabellaとの区別は困難である。又、特に小さい個体群がi. f.atriceps チビヤナギシボリとされているが、今回の観察でリーフ上の珊瑚の根元の穴にいる個体が小さく、普通何処でも観られる珊瑚礫の下の個体は通常の大きさであったことからサイズの大きさは遺伝によるものでなく、生息環境による違いと結論される。