メダカラ(32)
定点観測 まとめ

真野 進
(2010.12.01)

 メダカラの平均殻長がどのような因子によって影響されているかを探るために、ほぼ一年間、月一回、一定場所で打上殻全数を採集し測定を続けてきた。
今回はそれを纏めた。
 
方法    
  採集地(Location) 三浦半島、荒崎
  採集法 原則として月一回、決めた範囲の打上貝を全量拾う。
  測定法・測定項目  

 結果及び考察

 測定結果     

採集日
(Date)

個体数
(N)

殻高(L)mm

伸長度(L/W)

扁平度(H/W)

亜成貝
(%)

Mean

±

SD

Max

Min

Mean

±

SD

Mean

±

SD

'02.11-'03.11

11692

15.3

±

1.73

21. 0

11.0

1.66

±

0.04 8

0.80

±

0.018

7
1.殻長(L)
size
平均殻長は15.3±1.73mmだった。
2.伸長度(W/L) elongate 月々の平均は、1.66〜1.67であった。
3.扁平度(H/W)
 depressed
月々の平均は、0.80〜0.81であった。
4.亜成貝%
young shells

亜成貝の割合は年平均で7%であった。成貝と亜成貝の区別はかなり曖昧であるが、その出現頻度に季節性は無かった。これは、死んでから殻が打ち上がるまでの期間がまちまちであることによると思われる。

採集月日
11.24 1.7 2.07 3.09 4.04 5.02 6.03 7.14 8.12 9.04 10.07 11.15 平均

平均殻長(mm)
15.8 15.5 15.5 15.7 15.3 15.4 15.2 15.3 15.1 15.3 15.0 14.8 15.3

標準偏差
1.78 1.74 1.68 1.76 1.67 1.68 1.74 1.71 1.75 1.71 1.77 1.70 1.73
採集日毎の殻長平均値を示す。
平均値は15.8mm〜14.8mmまで月を追って小さくなっている。
しかし、貝が死んでからその殻が打ち上がるまでの期間が一定でない(先入れ先出しになっていない)こともありこれだけでは断定は出来ない。
あとがき
 チャイロキヌタとメダカラの平均殻長がどのような因子によって影響されているかを探るために一年間採集、測定を続けてきました。個体群の平均殻長はこの1年間で徐々に小さくなっている様にも見えますが、比較的安定していることも伺えました。