昨年に引き続き、コモンダカラの未成貝を採集できたので飼育下における成長と殻の変化を観察した。
試料及び方法
試料
個体No. | 産地 | 採集日 | 採集場所 |
erosa02-01 | 三浦半島・三戸海岸 | '02.11.21 | 潮間帯・岩の窪み |
erosa02-03 | 三浦半島・油壺 | '02.12.05 | 潮間帯・岩の窪み |
飼育法
30cm水槽(容積約8リットル)、自然海水にて飼育。冬期間25℃定温ヒーター設置。
10日に一度程度、2リットルの水交換。
餌は、ナミイソカイメンを給与。
結果及び考察
成長記録
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表の数値をグラフ化すると下図のようになる。(赤表示は昨年の記録)
幼貝より3ヶ月間で成長は止まる。
個体、erosa02-01の画像
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飼育1ヶ月でほぼ成貝となった。コモンダカラの特徴の一つである斑も内唇側にそれから1ヶ月程度で形成された。その後、外唇側にも出てくるかと観察していたが出現しなかった。 |
個体、erosa02-02の画像
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こちらは上の個体より小さい段階で採集、飼育を始めた。成貝になるのは同じ様なペースであったが、萎縮した様な形になった。 |
殻測定結果
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2個体とも伸長度(L/W)が1.8以上とコモンダカラとしては異常に細長い形となった。これは飼育下という特殊な環境が原因していると推察されるが、昨年の飼育個体ではこのような現象は見られなかったことから断定は出来ない。
あとがき