クチムラサキダカラ(3)
宮古島の打上貝

真野 進
(2004.10.16)

宮古島でクチムラサキダカラの打上を多く採集できたので、測定を行った。

方法

結果及び考察>

測定結果

個体数
(N)
殻高(L)mm
伸長度(L/W)
扁平度(H/W)
歯数(Teeth)
young
(%)
Mean±SD
Max
Min
Mean±SD
Mean±SD
内唇(C)
外唇(L)

137

34.9±5.68

57.8

22.4

1.68±0.063

0.83±0.024

24.3

29.3

0

採集個体


md
mb

側面

辺縁部と背の間にある淡青色のリング。

殻長 :
(size)

殻長は、最大57.8mm、最小22.4mm、平均34.9mm、標準偏差5.68であった。
分布図を見ると飛び抜けて大きい個体が2個有り、正規分布を崩している。
この傾向は和歌山、フィリピンとも同じであり、この種の特徴の一つと言える。 

伸長度:
(L/W)

最小1.49、 最大1.86、平均1.68、標準偏差0.063で、

扁平度:
(H/W)

最小0.75、最大0.89、平均0.83、標準偏差0.024であった。

内唇歯:
(columellar teeth)

最少 22個、最多 27個、平均 24.3個であった。

外唇歯:
(labral teeth)

最少 27個、最多 31個、平均 29.3個であった。

あとがき 

千葉、神奈川ではクチムラサキを拾うのはなかなか難しいのですが、和歌山、宮古島では沢山拾えます。元々、生息数が少ないのではなく、低い水温では定着が難しい種のようです。又、個体群の中に飛び抜けて大きな個体が混じるのはヤナギシボリとよく似ており、遺伝的な特性なのか、環境のせいなのか興味深いところです。