チャイロキヌタ(8)

三浦半島・荒崎の打上貝

真野 進
(2001.05.31.)

三浦半島の各海岸でチャイロキヌタとメダカラの大きさを測定しているが、三戸海岸-黒崎より北側では打上が少なく、拾うことが極めて困難でデータが欠落している。今回、荒崎で纏めて拾うことが出来たので測定した。

方法

結果及び考察

 測定結果

1.サイズ(L)
size
 
三浦半島・荒崎 2001.5.最大22.0 mm、最小12.7mm、平均15.9 mm、標準偏差1.65であった。
平均値は三浦半島・諸磯と同じであったが分布の仕方はやや異なり、平均値周辺に集中している。
総合表
2.伸長度(W/L) 
elongate
最大1.79、最小1.59、平均1.68、標準偏差0.046であった。
3.扁平度(H/W)
depressed
最大0.85、最小0.73、平均0.81、標準偏差0.020であった。
4.歯数
teeth
内唇歯14ー19、平均16.6、外唇歯13ー22、平均17.8個であった。
5.未成貝
junenile%
未成貝と思われる個体数をカウントしたが、126個中6個、5%であった。

あとがき
 前報同様、チャイロキヌタの海岸毎の大きさはメダカラと同様の傾向を示していることが確かめられました。違った種類のタカラガイが同じ傾向を示すというのは色々なことを考えさせてくれます。
 きっと棲息場所も同じ様な所かと推測していますが、チャイロキヌタの生貝を見つけるのはメダカラよりもさらに難しそうです。黒い外套を着て、暗い穴の中にじっとしているのでしょうか。