チャイロキヌタ(18)
定点観測 その5

真野 進
(2006.01.01.)

一昨年12ヶ月に渡り、月一回の定点観測を行ったが、そのサイズデータは極めて安定しており、季節などに因る短期の変化はほとんど無かった。そこで今回は中期的変化の有無を調べるために2年後となる今年の10月に同じ地点での採集・測定をメダカラと同時に行った。

方法

採集日
(Date)

個体数
(N)

殻高(L)mm

伸長度(L/W)

扁平度(H/W)

亜成貝
(%)

Mean

±

SD

Max

Min

Mean

±

SD

Mean

±

SD

2005.10.20

574

15.0

±

1.55

20.4

11.0

1.68

±

0.051

0.82

±

0.017

2

1.殻長(L)
size

平均殻長は15.0mmで、2003年10月の値に比べ0.1mm大きかった。
しかし、2003年の年間平均15.1mmと比べると0.1mm小さく、この2年間で変化はなかったと言える。

2.伸長度(W/L)    elongate

平均値は1.68で、2003年10月の値(1.67)とほぼ同じであった。

3.扁平度(H/W)
 depressed

平均値は0.82で、2003年10月の値(0.81)とほぼ同じであった。

4.亜成貝%
young shells

亜成貝の割合は2%で、2003年同時期の値(3%)とほぼ同じであった。

メダカラと同様、前回から2年経過後の測定でしたが、殻の大きさ、形ともほとんど変化が有りませんでした。チャイロキヌタとメダカラは、ほぼ同じ環境に生息していますが、種の異なる二種が同じように安定していることが確かめられました。さらにこれからも観測を継続して長期に渡る変化の有無を調べたいと思います。