ハナビラダカラ(11)

奄美大島の打上貝

真野 進
(2007.09.01)

今回、奄美大島の土盛海岸でハナビラダカラのFDを数多く拾うことが出来たのでサイズの測定を行った。

方法

測定結果

個体数
(N)
殻高(L)mm 伸長度(L/W) 扁平度(H/W) 歯数(Teeth) young
(%)
Mean ± SD Max Min Mean ± SD Mean ± SD 内唇(C) 外唇(L)

70

23.6  

2.00

26.7

19.9 1.36   0.060 0.70   0.034

11.7

12.9 7

測定の結果は、いままでに測定した11地点のうち最大の値を示した。(総合表

採集個体の写真
 採集個体の中パターンの異なる6個の写真をしたに示す。全体的な印象では背のリング内が白化している個体が多いように思われる。

あとがき
 奄美大島・土盛海岸は粗い礁原が広がっているが、所々に切れ目が入り外洋の波が岸まで打ち寄せている。
その為かここではリーフの発達した海岸には珍しく多くの打上殻を拾うことが出来る。
 今回の測定結果は標本数は少ないがが打上殻であることから、サンプリング誤差は少ないと思われここでの個体群の平均値と見て差し支えないだろう。そうして各所の個体群の値と見比べてみると、貝のサイズは緯度ではなく、その生息環境に影響されることが伺える。では、生息環境の何が最も大きな要因になるかというと未だに確かなことは掴めていない。